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まえがき

およそ、どんなものでも色と形と質感をもっています。これは造形の三大要素といわれていますが、情報の伝達にはかかせない重要な要素でもあります。周知のとおり、現代社会はハイビジョンTV、デジタル放送などにみられるように、非常に高品位でグローバルな情報伝達社会に構築され、かつ更なる進展がなされつつあります。最近の100年では、トン・ツーの電信やラジオの音声による情報伝達から、白黒のTVの画像による形の情報伝達へ、また、形と色を併せもつカラーTVの情報伝達へと発展してきました。更に昨今はデジタル技術の進歩によって、極めて情報量の豊かできめの細かい映像が時間差をも含めた情報として、瞬時に世界中に発信できる高度な技術が、目覚ましく進展してきました。その背景には、多くの色彩科学の基礎的な研究や色の再現技術の実用的な研究の成果が多大な貢献をしてきました。
さて、普段私たちはさまざまな色に囲まれて生活しています。空の果てから海の底まで、色のない世界はありません。その中にあって、正しく色を見たり、感じたりすることは大切なことです。でも、十人十色といわれれるように、同じ色を見てもその感じ方は人によって違うかも知れません。ものを見たとき私たちはそれぞれの感情を伴うので、同じ色を10人が見ても、10種の見え方、感じ方をしているだろうということです。こうした色をどうやって正しく他人に伝えることができるでしょうか。「あか」といえば、自分が想像するのと同じ赤を、他の人が想像してくれるとは限りません。しかも、色だけではなく、その質感まで含めるとなると、そのイメージはなおさらのこと伝えにくくなるものです。いつでも、だれでも、どこででも、見て感じた色を正確に他人に伝えることを可能にするためには、色が認識されていくときの諸条件のひとつひとつを丁寧に標準化していく必要があります。その認識過程を基にした色の測定技術をご理解していただくために、少しでも皆様のお役に立てることができればと念じ、このカラーストーリーを作成しました。